takeshiの街道を歩く カメラのイラスト

 ぶらり歩き  
 1.境川を歩く (6)                                平成14年8月4日
 再び境川の川沿いの道に戻り、新中里橋を過ぎて川面に目をやると、川の流れから突き出たいくつかの石の上に10羽ほどの鴨が、その石が自分の縄張りであるかのように、一羽ずつ羽を休めており、遠目には一つの群れを作っているように見える。川を下るにしたがって鴨の数が増えてきたように感じられる。

 中里橋(写真14)は、先程から何回も登場している淵辺義博が足利直義の命令に背いて護良親王を殺害せず、石巻に逃したため、その害が及ぶのを恐れて縁を切った、妻子と別れを惜しんだところと伝えられ、別名「別れ橋」と呼ばれているという。その橋のそばに、妻子と縁を切ったということので、「縁切榎」と呼ばれている榎があったというので目を四方に向けたが、それらしい大木を発見することはできなかった。

 堺橋を過ぎると、さらに鴨の数が増え、母鴨が8羽の子鴨を引き連れて泳いでいる一団を見つけ、しばし足を止めて眺め入ってしまう。
 境橋から古淵駅の方向に向かう途中の三叉路を直進して、そこから右に分かれた小道が当麻山道(写真15、たいまさんどう)といわれており、いにしえの道の面影が伝わってくる。当麻山道は当麻山無量光寺への参拝の道であったといわれている。小生の住まいは古淵駅が最寄り駅であるが、こんな身近に昔ながらの古道が残っていることを初めて知る。

 三叉路を右に曲がって龍像寺(写真16)に向かうが、歩き始めて4時間以上が経過し、しかもお昼間近の時刻となったこともあり、急に疲労感が感じられる。龍像寺の手前に石仏が設置されており、よく見ると3面に2体ずつ地蔵を彫った六地蔵である。古淵駅の近くにこんな立派なお寺があるのを知らないとは、全く灯台下暗しである。しかも、境内に徳本の名号塔が祀られており、今日一日で徳本の名号塔を2つも発見できたことで疲れも吹き飛ぶ思いである。

 
 
写真14(中里橋)
 
写真15(当麻山道)
 
写真16(龍像寺)

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